3月エキスパート・インタビュー - Stephanie Smith

AMDはここ数カ月間、AMD Ryzenプロセッサーの発表とリリースに向け全社をあげて取り組んでいます。 そんな中、AMDのStephanie SmithがRyzenと彼女のチームが開発からリリースへ至る道のりで得た素晴らしい経験について語ってくれました。


経歴とAMDでの職務、勤続年数などについてお聞かせください。

私はAMDに14年間勤務し、現在クライアント・プラットフォーム・プログラム管理のディレクターです。 

以前は、DellやIBMといった顧客と直接協力してAMD Opteron™製品、数世代に渡るAMD CPUやAPUを開発していました。 

Ryzenの開発における役割は?

私はクライアント・システム・リーダーとして、Ryzen AM4プラットフォーム・ソリューションの推進や、顧客の導入支援を担当しています。  私が統括するチームは、ソリューションを開発し、プラットフォーム内の半導体性能を検証し、顧客とパートナーの導入を支援しています。 

Ryzenのビジョンについてお話いただけますか?

Ryzenは、CPU事業の未来を担うエンジニアリングチームのスローガンでした。  「Zen」コアのビジョンと開発そして新しいアーキテクチャーがもたらす性能と能力が卓越していることを分かっていましたので、チームはこの製品を市場に送り出せることにとても気持ちを昂らせてきました。 

Stephanieさんからご覧になって、Ryzenの成功に貢献した主な要因は何だとお考えですか?

当初から、私たちは顧客の視線を最優先に考えてきました。 

Ryzenで経験したのはこれまでにないレベルの興奮、献身、プログラムへの取り組みでした。そしてそれはこのAMDのエンジニアリング文化に負うところが大きいのです。

Ryzenの成功に貢献した主な要因として顧客へ重点を置いたこと、とおっしゃいました。 具体的には?

プログラムの初期段階から顧客のあらゆる要件を考慮し、開発の全段階を通じて顧客エンゲージメントのあらゆる側面を事前に折り込みました。  CSLについて言えば、半導体だけでなく、プラットフォーム・ソリューション中心の視点からシステム・ソリューション全体の向上を目指しました。  例えば、AMDのCPUとインフラストラクチャの要件がハードウェア設計の要件に与える影響、関連コストおよび市場のコンポーネント・サプライヤーとの柔軟な関係性を考慮することなどです。  半導体とソリューションの検証では、AMDはハードウェアの実装と密接に関連している機能分野に関する広範なテストを行います。  テスト・スイートの領域は、BIOSやファームウェア、さらにドライバーなどのソフトウェアを含めて、顧客のエンドユーザー・エクスペリエンスの側面をカバーする、ソリューション全体に及びます。 

私たちは技術パートナーと早期から継続的に緊密な協力関係を構築し、リリース時にパートナーが並行して技術開発を進展させているよう留意しました。 

​顧客中心主義はRyzenの開発にどのように影響しましたか? イベントや企業イニシアチブのようなものがありましたか?

Global リソース:

最初の半導体社内開発に100人以上のトップ技術エンジニアたちがラボに集まって共同作業を行い、開発を加速しました。  ラボを包んでいた興奮は信じられないほどで、エンジニアがラボを出ようとしないので、強制的に休ませなければならないほどでした。  それでも数時間仮眠を取って直ぐにラボに戻って来ました。  開発後、その成果を世界中のすべてのラボに拡大しました。   リーダーシップのサポートは素晴らしく、Lisa Suはわざわざラボまで来て技術者たちと話し、継続的なサポートを約束してくれました。

台北リソース:   

開発プロセスと顧客の協力を支援するため、エンジニアを数週間一度に海外に派遣しました。

オーバークロッキング・ワークショップ:

最新のPCのオーバークロッキングにはマザーボード(MB)やシステムの設計者およびCPUサプライヤーの協力が必要です。 CPUはオーバークロッキングを可能にする基本機能のみを提供します。  さらに性能を向上させるには、MBおよびシステムの設計者がシステムの固有の機能とヘッドルームをキャプチャできるように、CPUの実行方法を定義し実装する必要があります。 

CPUテストとシステム開発の早い段階で、MBの設計者と協力してCPUの基本機能と性能を微調整するためのツールを示し、その少し後にシステムボードに実装したオーバークロッキングのフル性能をテストし向上させました。  液体窒素から取り出したRyzenがどれほど速く作動できるか見てください!

BIOS統合についてはODMパートナーとコラボレーションするためのセッションを設けました。すべてをまとめてしまうことがこのセッションの目的でした!! すべての機能検証テストが完了したら、最終的な機能拡張と最適化をODM / IBVのカスタマイズ及びオーバークロック機能と統合する必要がありました。 効率的かつ迅速に統合する最善の方法は、各ODMマザーボード用に共同開発した機能スーパーセットの統合とテストに焦点を当てた「ワークショップ」を開催することでした。これらのワークショップを通じて生産用MB BIOSや他のSWスタックコンポーネントを具体的に詰めていきました。

高度に協調的なOCワークショップとBIOS統合ワークショップは、生産のゲーティングの問題の特定と修正を加速し、CESでのデモンストレーションや生産開始のため相当な数のプラットフォームを準備しました。

こうして、CES 2017でマザーボードが発表され、発売時には82以上のマザーボードが購入可能になりました。

オーバークロッキング・ワークショップと顧客中心主義の最終的な結果は?

Tech Dayの記録では、8コアCPU、2449(古いレコード2410)でCB r15 nTでした。このレコードを達成したとき、CPUは温度-200℃で8つのコアすべてが5.2GHzで作動していました。

視聴者がRyzenのエンジニアリングチームの内実を知ることは今までありませんでした。 エンジニアリングチームはどのようにしてこのような大きな事業を管理し、あらゆるタイプの顧客に対応する製品を生み出したのですか?

この規模の製品をグローバル・エンジニアリングチームと共に開発して発売するには、非常に詳細な実行計画、チーム・コラボレーションに向けた構造化アプローチ、そして私たちの行く手を妨げる障害を取り除いてくれる経営陣のサポートが必要でした。   

チームの士気はどうでしたか? 製品を完成させるまでチームを駆り立てた主な要因は何でしたか?

エンジニアは昼夜の別なく働いていました。  最初の開発に成功すると、部品とハードウェアをグローバルなエンジニアリングチームに広く配布しました。  私たちはチームを分散体制にして診断ツールやデバッグ機能などのリモートツールを用意しているので、24時間体制でエンジニアリング作業を継続できます。

Ryzenは市場に大きな影響を与えましたが、Stephanieさんご自身とチームはいかがですか?どのような影響を受けましたか? チームにはどんな影響がありましたか?

このプログラムと私の役割は、私のキャリアの中でも最も取組み甲斐のある課題の一つでした。  このエンジニアリングチームが成し遂げたことを心から誇りに思っています。  私はRyzenのジャケットを着るのが大好きです。才能あふれるAMDのチームとRyzen製品の業績に対する誇りを示すことができるからです。    今回の成功は、今後の製品をより良いものにして、市場シェアを拡大する活力になりました!  AMDで過ごした時間は素晴らしい経験です!

業界やAMD自体に影響を与えるRyzenアーキテクチャーをどう見ていますか?

Ryzenアーキテクチャーはシステムを構築する基礎部分です。  私たちは今、「Naples」サーバー製品と、今年後半にはRyzenモバイル製品を市場に投入できるように尽力しています。  エンジニアリングチームはRyzenデスクトップ製品をとても誇りに思っていますが、それはスタートに過ぎません。  今年発表される当社の製品は大きな可能性を秘めています。  

 

StephanieさんにRyzenの開発の内幕を伺いました。ありがとうございました。 AMDは今後も市場に未来志向のテクノロジーを提供して、信じられないほど強力なコンポーネントをパートナーが販売できるよう努めていきます。

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脚注